首都圏で問題となっている里山開発において、特に墓地造成のために貴重な自然が失われる例が目立つ。一方で地方では、里山は放置され荒廃が進む。この由々しき事態に居ても立ってもいられなくなり、「樹木葬」の取り組みを始めた。これは、墓石代わりに木を植え、その周りに納骨するだけの記念樹型集合墓ではない。荒れた里山に墓地としての許可を取り、手を入れ、整備する。墓標として植えるのは、その地域、環境にふさわしい花木だ。樹木葬墓地は、地域の自然を後世に残していくための墓地という新しい葬送の形の提案であるとともに、里山の生物多様性の保全・再生の手法として大きな可能性を見出した。