日本の国菌「麹」。
一口に麹菌と言っても「黄麹菌」「黒麹菌」「白麹菌」「紅麹菌」など様々な種類があります。
酒、醤油、味噌、みりん、酢など、多くの発酵食品が「黄麹菌」からできており、店頭で販売されるいわゆる「麹」もほとんど黄麹菌由来。
一方「黒麹菌」は、主に泡盛を含む「焼酎」に使います。
泡盛といえば沖縄。
焼酎といえば宮崎県、鹿児島、大分県、福岡県など、日本の中でも比較的温暖なエリアが代表産地。
実は黒麹菌は、製造過程でクエン酸を大量に生成するため、ほかの麹菌に比べて雑菌による腐敗を抑えることができるという大きな特徴があります。
温暖多湿のなかで麹をつくると、麹菌以外の菌も繁殖しやすく、酸度の弱いもろみだと、空気中に浮遊する腐敗菌に負けて、もろみが腐ってしまう危険性も高いのですが、クエン酸を多く生成する黒麹菌なら品質の良いもろみを安定生産しやすいのです。
みやもと糀店は一年を通して主に黄麹菌を使うのですが、今回は特別に黒麹菌を使い、クエン酸の多い麹に仕上げました。