山形県天童市は、将棋駒の生産で全国の大部分を占める、一大産地です。
天童将棋駒は、平成8年に国の伝統的工芸品として指定されました。
天童で将棋駒づくりが始まったのは、将棋が庶民に定着した江戸後期。
当時、天童織田藩の財政は大変な窮乏に苦しんでいました。
そこで、織田藩はかつて米沢藩から技を学んだ駒づくりで財政を立て直そうと、藩士たちに奨励。
幕末には、天童伝統の草書体による書き駒の基礎が築かれたといいます。
左馬とは、馬の字が左右反転して書かれたもの。
「うま」を逆に読むと「まう(舞う)」となります。
舞は古来めでたい席で催されることから、縁起の良い招福の意味につながります。
また、左馬という字の下の部分が、財布の巾着の形をしており、口が良く締まって、 入った金が散逸しないことから、富のシンボルとしての意味があります。
駒:幅14×奥5.2×高15.2(cm)・約510g
台:幅19.5×奥9.5×高3(cm)・約340g