仏像と過ごす贅沢な時間。ときに自己を呼び覚まし、ときに極上の癒しをもたらす。
魂を映し出す造形の清廉-空を切るは南無阿弥陀仏
重要文化財「空也上人立像」。
疫病が流行していた平安時代、人々の救済のため空也が建てた寺に、空也の死後安置された。
名仏師運慶の四男である康勝(こうしょう)の作と伝えられる。
生きているかのように細部まで造りこまれ、“人民救済”と“救いの祈り”に生きた空也の精神性までもリアルに写し取る、鎌倉時代の肖像彫刻の傑作。
空也上人とは
空也は平安時代に活躍した僧侶で、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えて民間の人々の救済に尽力したことから市の聖(いちのひじり)などと呼ばれる。
民間浄土教の先駆けとして有名だが、出自には謎に包まれている。